ウェルビーン、アットマークテクノ製「Armadillo-9」をベースとしたμITRON+LinuxのマルチOS対応の評価キットを発売


2009年4月2日


株式会社アットマークテクノ
イー・フォース株式会社
株式会社ウェルビーン


組み込み機器向けのドライバ開発・技術コンサルティングを行う 株式会社ウェルビーン(横浜市港北区、代表取締役:橋本 竜也)は、μITRONとLinuxの2つのOSを同時に動作させることが可能な組込みCPUの仮想化ソリューション「WB-VRT」の導入・評価キット「WB-VRT評価キット」(型番:SVRT-EV1、定価198,000円)を発売します。

評価キットのプラットフォームにはシステムハウスの株式会社アットマークテクノ(札幌市中央区、代表取締役:実吉 智裕)が開発したLinux対応のARM9 CPUボード「Armadillo-9(アルマジロ・ナイン)」、μITRONにはイー・フォース株式会社(東京都中央区、代表取締役:與曽井 陽一)が開発したμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」を採用しています。その他、評価キットにはArmadillo-9上で動作するLinux ソースコード、Linux開発環境、μC3バイナリコード、WB-VRTバイナリコードなどが用意されており、すぐに開発評価を行うことができます。

「WB-VRT」は、モーター制御などのリアルタイム処理を実現するμITRON仕様のRTOSと、豊富なソフトウェア資産を持つLinuxを、1つのCPU上で動作させることができるマルチOS環境です。実績のあるμITRONのリアルタイム制御向けソフトウェア資産を継承しつつ、通信プロトコルやGUIライブラリなどのLinuxが得意なソフトウェア資産を活用することができます。μITRON・Linuxの両OSから同一デバイスを制御することも可能で、それぞれのOSの特長を活かして開発期間の短縮を図るなど柔軟な開発が可能となります。

2009年5月13日(水)より東京ビッグサイトにて開催される「第12回組込みシステム開発技術展: ESEC2009」のウェルビーン社のブース(番号:東36-50 )で、本評価キットを使用したリアルタイム制御の動作デモンストレーション展示が実施されます。また、アットマークテクノ社のブース(番号:東44-1)では「WB-VRT」に関するシアタープレゼンテーションも行われる予定です。


「WB-VRT」について

リアルタイムOSの1タスクとしてLinuxの実行を可能にする、組み込み機器向け仮想化ソリューションです。100%国内自社開発のため、細かなカスタマイズ対応も可能です。ARMプロセッサ以外のアーキテクチャにも対応しており、今後、他のOSとの組み合わせによる仮想化ソリューション実現も予定しています。


「Armadillo-9」について

「Armadilloシリーズ」はLinuxに対応したARMプロセッサ搭載のCPUボードです。2001年発表のARM7搭載CPUボードから、現在ではARM11まで発展し、Linuxを活用したネットワーク機器の組み込みプラットフォームとして、各種の場面で採用されています。「Armadillo-9」は多彩なインターフェースを備えるARM9の高機能CPUボードとして、開発・評価から量産まで広く利用されています。


「μC3」について

μC3シリーズはワンチップマイコン用のCompactシリーズと32bitのハイエンドプロセッサ向けのStandardシリーズの2種類の製品を用意しています。1つのカーネルで何にでも使えるではなく、開発ターゲットをフォーカスすることで、開発するアプリケーションに合わせた最適なソリューションをご提供いたします。




株式会社ウェルビーン 代表取締役 橋本 竜也 からのコメント

弊社Linuxトレーニングで使用しているアットマークテクノ社のArmadilloと受託開発経験が豊富なLinuxとITRON4.0ベースのμC3の組み合わせにより、弊社が得意とする FA・医療機器市場のみならず、機器制御が必要な情報家電などの民生市場においてもWB-VRT のもつ柔軟性が有効になってくるでしょう。


株式会社アットマークテクノ 代表取締役 実吉智裕 からのコメント

ウェルビーン社のご協力により、「Armadilloシリーズ」にμITRONが持つリアルタイム性が加わり、組み込み機器開発の可能性をさらに広げる画期的なキットが発売されました。ロボットアームの遠隔制御など「リアルタイム性」と「通信機能」を同時に要求されるような組み込み機器にも「Armadilloシリーズ」がモノづくりのプラットフォームとして貢献できるものと期待しております。


イー・フォース株式会社  代表取締役  與曽井陽一 からのコメント

μITRONは今まで多くの組込み機器に採用され、メーカーには開発してきたアプリケーションやノウハウなど膨大な資産があります。しかし、携帯電話をはじめとしたデジタル機器の機能拡張は、近年急速な勢いで行われており、ソフトウェア部品が少ないμITRONだけではこの要求に応えられなくなりました。LinuxとμITRONを共存させるWB-VRTの技術により、今まで開発したμITRONの資産を活かしつつLinuxの機能を使うという第三の選択ができることは、組込みソフトウェア開発にとって大きなメリットになると考えています。




■株式会社ウェルビーンについて

1995年に会社を設立して以来、リアルタイムOS 技術とハードウェア設計技術をベースに、一貫して組み込み業界においてデバイスドライバ開発や CPU ボード・組み込み機器開発およびコンサルティングサービスを提供しています。1997年に FA 市場向けのオリジナル製品: VxWin を開発して以後、これらのメーカー機能に加え、デジタル情報端末分野を中心とした受託開発を行うエンジニアリング機能や、国内外の安全かつ有効な製品・機能モジュールとインテグレーションを併せて提供する技術商社機能を併せ持つに至っています。
詳細は http://www.wellbean.net/ をご覧ください。

■株式会社アットマークテクノについて

1997年11月に設立されたシステムハウスで、マイコンを使用した組み込み機器のハードウェア・ソフトウェアの総合的な開発を得意としています。Linux に対応した小型CPUボードを中心に技術開発を行い、ARM搭載の小型低消費電力CPUボード「Armadillo(アルマジロ)シリーズ」、 Xilinx社製FPGAを搭載した「SUZAKU(朱雀)シリーズ」など、組み込み機器のプラットフォーム製品を提供しています。
詳細は http://www.atmark-techno.com/ をご覧ください。

■イー・フォース株式会社について

10年に渡る組み込みシステム向けソフトウェアの開発/サポート/販売の経験を生かし、μITRON4.0仕様の「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」を開発・販売しております。単にソフトウェアを販売するだけではなく、お客様のニーズに合わせた導入コンサルテーション、多くのデバイスメーカーやツールベンダーとの連携により、お客様へベストな開発プラットフォームの提案を行います。
詳細情報は http://www.eforce.co.jp/ をご覧ください。



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■株式会社アットマークテクノ 営業部


※「Armadillo」は、株式会社アットマークテクノの登録商標です。
※その他、このプレスリリースに記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。