セキュリティ機能が強化されたIPv6対応のLinuxネットワーク端末を開発


システムハウスの株式会社アットマークテクノ(本社:札幌,代表取締役 実吉智裕)はセキュリティ機能を強化した超小型のLinux対応ネットワーク端末「Armadillo-210」を開発しました。

P1010119.JPG

「Armadillo-210」は、従来より販売していた超小型のLinux対応ネットワーク端末「Armadillo-J」の後継機として位置付けられ、従来のARM7プロセッサからARM9プロセッサに変更することによって、処理能力が約5倍に向上いたしました。 これにより、高い処理能力が必要とされ、業界標準であるIPSecやSSLなどのセキュリティを確保するための通信プロトコルを搭載することが可能となりました。また、次世代ネットワークの標準通信プロトコルであるIPv6にも対応しております。

「Armadillo-210」は同社製CPUボードの最上位機種である「Armadillo-9」に使用されるソフトウェアと互換性があるため、共通の開発環境でミドルウェアやアプリケーションの開発を行うことが出来ます。高機能な「Armadillo-9」で開発して低価格な「Armadillo-210」で製品化を行うことも可能です。

また「Armadillo-9」のユーザによって「NetBSD」が移植され、「Armadillo-210」でも動作いたします。この「NetBSD」を搭載した「Armadillo-210」の応用製品を株式会社ネクステック(本社:札幌, 代表取締役 大石憲且)が開発いたしました。

「Armadillo-210」の価格は開発用モデルが25,000円、量産用モデルの100台一括受注時の価格は15,000円程度を予定しております。販売開始は2005年12月15日の予定です。なお「Armadillo-210」は、11月16~18日に開催される「組込み総合技術展/ET2005」(パシフィコ横浜、主催:日本システムハウス協会)の同社ブース(D-05)にて展示されます。

株式会社アットマークテクノについて

株式会社アットマークテクノは、 1997年11月に設立されたシステムハウスでマイコンを使用した組込み機器のハードウェア/ソフトウェアの総合した開発を得意としています。Linux に対応した小型CPUボードを中心に、情報家電向けに特化した技術開発を行っています。同社についての詳細な情報はhttp://www.atmark-techno.com/ をご覧ください。

株式会社ネクステックについて

株式会社ネクステックは1997年11月より、IP(Internet Protocol)を基盤とした通信技術の研究開発を行っています。組込み機器やイントラネット向けシステムの開発、広域ネットワークデザインを通じて安心・安全、簡単・便利なVPNソリューションを提案しています。同社についての詳細な情報は http://www.nextech.co.jp/ をご覧ください。

仕様

プロセッサEP9307(Cirrus Logic社製)
CPUコアARM920T(200MHz)
メモリSDRAM : 32MB
FLASH : 4MB
シリアルポート2 ポート
汎用入出力8 bit
Ethernet10BASE-T/100BASE-TX
基板サイズ50×37.5 mm
ケースサイズ79.0×45.0×26.5 mm
消費電力1.6W (typ.)
入力電源DC9~48Vの外部電源
またはPower over Ethernetによる電力供給
標準OSLinux(カーネル 2.6系)
開発環境GNUクロス開発環境

用語

ARM7, ARM9: 英ARM社のCPU(中央処理装置)。消費電力が小さく、携帯電話やPDA(携帯情報端末)に多く採用されている。

通信プロトコル: ネットワーク上での通信に関する規約を定めたもの。

IPv6: 増加するインターネットの使用者に対応するため、現在のIP(IPv4)に代わるものとして改良を施した次世代インターネットプロトコル。

IPSec: インターネットでIPのパケットを暗号化して送受信するための規格。

SSL: インターネットで使われているWWWやFTPなどのデータを暗号化して送受信するための規格。

NetBSD: セキュリティ機能やIPv6の実装で定評があり、オープンソースで開発されているオペレーティングシステム。

お問合わせ先

この件に関するお問合わせは下記へお願いいたします。

■株式会社アットマークテクノ IT開発部:森島